背景がボケる仕組み:センサーサイズ編

背景を美しくボケさせるためには、センサーサイズも重要な要素の一つです。ここでは、センサーサイズが背景のボケにどのように影響するのかを具体例を交えて解説します。


1. センサーサイズとは?

定義

  • センサーサイズは、カメラのイメージセンサーの大きさを指します。センサーサイズが大きいほど、より多くの光を取り込むことができ、画質や被写界深度に影響します。

主なセンサーサイズ

・フルフレーム: 36mm x 24mm
・APS-C: 約23.6mm x 15.7mm(メーカーにより若干異なる)
・マイクロフォーサーズ: 17.3mm x 13mm
・1インチ: 13.2mm x 8.8mm


2. センサーサイズと背景ボケの関係

大きなセンサー

  • 大きなセンサーを持つカメラ(例:フルフレーム)は、被写界深度が浅くなりやすく、背景がボケやすくなります。

小さなセンサー

  • 小さなセンサーを持つカメラ(例:1インチ)は、被写界深度が深くなりやすく、背景がボケにくくなります。

⚫︎図解:センサーサイズと背景ボケの違い

  • フルフレームセンサー

  | カメラ | — | 被写体 | ——————- | 背景 |
  背景が大きくボケやすい。

  • APS-Cセンサー

  | カメラ | — | 被写体 | ———– | 背景 |
  背景が適度にボケる。

  • 1インチセンサー

  | カメラ | — | 被写体 | —- | 背景 |
  背景があまりボケない。


⚫︎具体的な例

ポートレート撮影

  • フルフレームセンサー背景が大きくボケ、被写体が際立つ。

<設定例>
・焦点距離85mm、F1.8、被写体と背景の距離10メートル

<効 果>
・被写体が鮮明に浮かび上がり、背景が大きくボケる。

  • APS-Cセンサー背景が適度にボケる。

<設定例>
・焦点距離50mm、F1.8、被写体と背景の距離10メートル

<効 果>
・背景がボケるが、フルフレームよりは少し少ない。

  • マイクロフォーサーズセンサー背景があまりボケない。

<設定例>
・焦点距離42.5mm、F1.8、被写体と背景の距離10メートル

<効 果>
・背景がボケるが、APS-Cよりも少ない。


3. センサーサイズを活用した背景ボケのテクニック

1. 大きなセンサーを選ぶ

<方法>
・可能であれば、フルフレームセンサー搭載のカメラを使用する。

<効果>
・被写界深度が浅くなり、背景がボケやすくなる。

2. 大口径レンズを使用する

<方法>
・大きな絞り(小さなF値)のレンズを使用する。

<効果>
・被写界深度が浅くなり、背景がボケやすくなる。

< 例 >
・F1.8またはF1.4のレンズを使用する。

3. 被写体と背景の距離を広げる

<方法>
・被写体と背景の距離を広げる場所で撮影する。

<効果>
・背景がボケやすくなる。

< 例 >
・被写体を前景に置き、背景に広がる景色を配置する。


 ⚫︎実際の設定例

1. ポートレート撮影(フルフレーム)

カメラ:フルフレーム
レンズ:85mm F1.8
設 定: F1.8、被写体と背景の距離15メートル
効 果被写体が際立ち、背景が大きくボケる。

2. ポートレート撮影(APS-C)

カメラ:APS-C
レンズ:50mm F1.8
設 定: F1.8、被写体と背景の距離15メートル
効 果被写体が際立ち、背景がボケる。

3. ポートレート撮影(マイクロフォーサーズ)

カメラ:マイクロフォーサーズ
レンズ:42.5mm F1.8
設 定:F1.8、被写体と背景の距離15メートル
効 果被写体が際立つが、背景ボケはフルフレームより少ない。


4. まとめ

センサーサイズを理解し、活用することで、背景のボケを効果的にコントロールできます。
大きなセンサーを持つカメラを使用し、適切なレンズと撮影設定を選ぶことで、魅力的な背景ボケを実現できます。
これらのテクニックを活用して、印象的な風景写真やポートレートを撮影してみてください。

背景がボケる仕組み:絞り編

背景がボケる仕組み:焦点距離編

背景がボケる仕組み:被写体と背景の距離

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