写真の背景を美しくボケさせることで、被写体が際立ち、より印象的な写真を撮影できます。
ここでは、絞りを使って背景をボケさせる仕組みについて詳しく解説します。
1. 絞りとは?
定義
- 絞りは、レンズ内の開口部のことで、光の量を調整します。
絞り羽根の開閉により、写真の明るさや被写界深度が変わります。
絞り値(F値)
- 絞りの大きさはF値で表され、F値が小さいほど絞りが開き、大きいほど絞りが閉じます。
例えば、F1.8は大きく開いた絞り、F16は小さく絞った状態を示します。
2. 被写界深度(Depth of Field)
定義
- 被写界深度は、ピントが合っている範囲のことで、浅い被写界深度では背景がボケやすくなり、深い被写界深度では全体にピントが合いやすくなります。
影響要因
- 被写界深度は、絞り値、被写体との距離、レンズの焦点距離によって決まります。
3. 絞りと背景ボケの関係
絞りを開く(F値を小さくする)
- F1.8やF2.8など、絞りを開くことで被写界深度が浅くなり、被写体にピントが合って背景がボケやすくなります。
絞りを絞る(F値を大きくする)
- F8やF16など、絞りを絞ることで被写界深度が深くなり、背景までピントが合いやすくなります。
4. 背景をボケさせるためのテクニック
絞りを開く
- 小さなF値(例:F1.8〜F2.8)を選び、絞りを開いた状態で撮影します。
被写体に近づく
- 被写体に近づくことで、被写界深度がさらに浅くなり、背景がボケやすくなります。
焦点距離を長くする
- 長い焦点距離(望遠レンズ)を使用すると、被写界深度が浅くなり、背景がボケやすくなります。
●図解:絞りと背景ボケの仕組み
- 絞りを開いた場合(F1.8)
| 被写体 | 背景 |
|———|——————-|
| 鮮明 | ボケている |
- 絞りを絞った場合(F16)
| 被写体 | 背景 |
|———|——————-|
| 鮮明 | 鮮明 |
●実際の設定例
- ポートレート撮影
・絞り:F1.8~F2.8
・焦点距離: 50mm〜85mm(標準〜中望遠)
・被写体との距離: 近づく
- 風景撮影
・絞り: F8〜F16
・焦点距離: 広角〜標準(24mm〜50mm)
・被写体との距離: 近づく
●具体的な例
- ポートレート
被写体の顔にピントを合わせ、背景を美しくぼかす。これにより、被写体が際立ち、背景の不要な要素が目立たなくなります。
- 風景
前景から背景まで全体にピントを合わせ、風景全体を鮮明に表現。
●絞り設定の実際の操作 カメラの設定方法
- 絞り優先モード(AまたはAv)
カメラの撮影モードを絞り優先に設定し、F値を手動で調整します。
- マニュアルモード(M)
マニュアルモードで、絞り、シャッタースピード、ISO感度を全て手動で設定します。
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